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【第3回】20数年越しの決断。リスクを超えて掴んだ完治と、自分らしく生きる「今」
第2回の記事では、血中酸素濃度68%という命の危機を救ってくれた名古屋の恩師との出会い、そして「自分の気持ちを胸に秘めず、やりたいことをやる」という生き方の改革によって、苦しかった喘息を克服した話しをしました。
心と体の深い繋がりを知り、自分を大切に生きる一歩を踏み出した私には、どうしてもやり遂げたいことがありました。
それは、小学生の頃から20年以上も私の見た目と自信を奪い続けてきた、あの「木村氏病」を完治させること。
今回は、リスクを覚悟で挑んだ治療の結末と、ほんの少し前よりも自信を手に入れた私が、自分の直感に従って現在の自営業へたどり着くまでの歩みをお話しします。
「充実した人生を」20数年ぶりの再会と、覚悟の放射線治療
喘息を克服してまもなく、私は20数年ぶりに、当時大学病院で私の主治医をしてくださっていた先生が新しく開かれたクリニックを訪ねました。
「完治させたいです」
私の強い想いを聞いた先生は、「今は、放射線治療が効果を上げていますよ」と提案してくださいました。
しかし、当時の私は医療の知識が浅く、「放射線治療=将来がんになるリスクが高くなるのではないか」という思い込みがあり、一度はその治療を断ってしまいました。せっかくここまで体調を戻したのに、新たなリスクを背負うのが怖かったのです。
それでも、自宅へ帰ってからも考えました。
「自分の人生を、これからは思いっきり楽しんでいきたい」
「もう二度と、後悔する生き方はしたくない」
首にある右頸部の腫瘍のせいで、人目が気になり、自信が持てず、積極的に行動できなかった20年間。あの頃に逆戻りするくらいなら、たとえ治療のリスクで将来命が短くなるようなことがあったとしても、今を100%充実させて生きられる可能性に賭けたい。
そう腹をくくった僕は、34歳のとき、思い切って放射線治療を受ける決断をしました。
治療は1セット、合計15回の照射を行いました。
治療が終わったあと、しばらくの間は右の口の中や頸部が、物を飲み込むたびに激しく痛みました。食事を摂るのも一苦労という壮絶な痛みに襲われましたが、なんとか乗り越えました。
そしてしばらく経った頃。鏡を見ると、あれほど長年私を悩ませていた右頸部の腫瘍が、外見上はほとんど分からないくらいに消え去っていたのです。
それから5年間、年に1度の定期検診に通い続けました。
その結果、先生から告げられたのは最高の言葉でした。
「再発もしていないし、がん化の心配もありません。一応、これで『完治』ということになります」
小学生の頃、「原因不明で完治は難しい」と言われたあの病気に、私は30代半ばにして、ついに完全な勝利を収めたのです。
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## 自分の直感に従う。飲食から介護、そして自営業の道へ
完治という切符を手に入れ、見た目のコンプレックスから解放された私は、人生で初めて「本物の自信」というものを手に入れました。
「よし、自分の人生を生きよう」
早速、転職活動を始めました。当初は飲食業以外の世界へ行こうとも考えていましたが、当時はまだ「自分にできるのは10年やってきた飲食くらいだ」という思いもあり、大阪のもつ鍋店へと就職することになります。そこはとても良いお店で、新しい環境でやりがいを持って働いていました。
しかしある日、僕の心の中に突然、全く予期せぬ想いが湧き上がってきたのです。
「介護の仕事がしたい」
それは突飛な思いつきに見えるかもしれません。しかし、名古屋の先生に言われた「やりたいことをやる」という教えが、僕の直感を鋭くしていました。私は自分の直感を信じ、すぐに求職サイトに登録。働きながら初任者研修の学校へ通い始めました。
無事に課程を修了したあと、自分の目で見て一番条件の良い施設への就職を決め、そこから介護の現場で3年間、懸命に勤め上げました。
今に繋がる学びと得たものもたくさんで苦しかった居酒屋での10年間。
人の人生や心に寄り添うことを学んだ介護での3年間。
一見、バラバラに見えるかもしれない私のこれまでのキャリアは、今振り返ると、現在の「自営業(自身のお店を開業したこと)」という舞台へ繋がるための、なくてはならない大切なピースだったのだと確信しています。
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最後に:今、生きづらさを抱えているあなたへ
小学生の頃の壮絶な闘病から始まり、大量のステロイド服用による肥満やアトピーの苦しみ、自信の持てなかった青春時代、そして命の危機を感じたハードワーク。
僕の前半生のストーリーは、お世辞にも順風満帆とは言えません。むしろ、人より多くの遠回りをしてきたと思います。
でも、だからこそ、今もし過去の私と同じように「自分を犠牲にして苦しんでいる人」や「病気やコンプレックスで自信を失っている人」がいたら、これだけは伝えたいのです。
「自分の本当の気持ちを置き去りにしないでください」
周りに迷惑をかけないように、嫌われないようにと、言いたいことを胸に秘めて自分をすり減らしていると、心だけでなく、いつか体が悲鳴を上げます。まずは自分自身を満たしてあげること。自分が健康で、自由で、やりたいことをやって生き生きとしていて初めて、周りの人を本当の意味で幸せにできるのです。
100万人に1人の病を乗り越えた私は今、自分で人生のハンドルを握り、毎日を心から充実して生きています。
長い物語をお読みいただき、本当にありがとうございました。私の経験が、ほんの少しでも誰かの一歩を踏み出す勇気になれば幸いです。






